温故知新

 今日、夜七時からのNHKニュースを見ていたところ、法隆寺の「玉虫厨子」が復刻されたそうですね。

 昨年の秋に名古屋の徳川美術館源氏物語絵巻の復刻版を見たのですが、ああいう復刻版を見るとちょっと戸惑います。教科書や本で見ると、どうしても年月がたってしまっているので、褪色したり落剥があったりするのですが、作成した当時は当然新品だったわけです。それが目の前で色鮮やかに蘇ったものを見ると、なんだか不思議な気持ちになります。源氏物語絵巻の復刻版を見たら、「ああ、こんなに珍しい植物やら鉱物やらを使った色鮮やかな絵巻物を所有できるってことは、当時の貴族はすごかったんだなあ」と思いました。物語の世界に憧れる貴族の家の女の子がこんな絵巻を見ながら源氏物語を読むというのは、今で言うと豪華な製本の漫画かライトノベルを読むような感覚だったのでしょうか。
 三月二十日から復刻版「玉虫厨子」が一般公開されるそうです。法隆寺なんて中学の修学旅行以来行く機会はありませんでしたが、こういうニュースを見ると、奈良や京都に行きたくなります。