柿の葉寿司の話

 前に「柿の葉寿司」の話を書くと言ってそれきりだったのですが、今日こそ。
 以前仕事で奈良に行ったことがあるのですが、ホテルの売店で「『柿の葉寿司』予約受け付けます」と書いてありました。生ものなので、予約した数だけ取り寄せて販売する、とのこと。なので本物は売店には置いてなく、見本の写真だけがあったのですが、見て驚きました。「これが『柿の葉寿司』?」と。
 写真の柿の葉寿司は、四角いのです。柿の葉寿司をご存じでない方はイメージ検索すれば分かると思いますが、奈良県では柿の葉で包まれた押し寿司のことを「柿の葉寿司」というらしい。私が子供の頃から知っているのと違うのです。
 で、私が知っている柿の葉寿司はどういうものかと言うと、

  • 葉っぱは曲げたり折ったりしない。初夏から秋の柿の葉を取り、水洗いして乾いた布巾で拭く。
  • 柿の葉の上に寿司飯を楕円形に盛り、その上に酢で締めた魚の削ぎ切り、あおさ、桜海老などを並べる。
  • 出来たお寿司はお櫃などに並べて入れ、上に平らなふたを載せて、さらにその上に重しを載せて何時間か置く。

 ……というものです。押し寿司という点では共通ですが、私の知っている柿の葉寿司は平べったいものです。子供の頃、お祭りのときによく母が作ってくれました(現在は、祭りのとき以外でも母が作りたくなったときに作っています)。
 さて、奈良の柿の葉寿司は結局買わなかったので、どんな味かは分からずじまいです。いつか食べ比べできる日が来れば良いのですが。



 北陸の柿の葉寿司は家のもの以外でも工程を見たり食べたりしたことがあるので、記憶を頼りに書いてみる。

  • 魚は白身魚か青魚。鯖、鯵、鯛、鱒は食べたことがあります。
  • 魚以外の具は、あおさ、桜海老、黒ごま、ガリ、レモンなど。
  • 重しをするときは、寿司桶やお櫃に入れる場合や、押し寿司用の四角い型に入れる場合がある。

 確か、こんな感じだったと。